代表中澤の日々の徒然

POST: 2014.09.08

本当の美しさ

写真は弊社展示場にある小さなウッドデッキです。
ある実験用としての機能もあり、木の表面の経年変化を見守っています。
展示場と同じく完成したこのウッドデッキ、早いもので8年が経過し9年目を迎えています。実はこのウッドデッキはヒノキ材で無塗装です。木曽五木で有名なヒノキやサワラの木は国産の針葉樹の中でも腐食に強いことで知られています。
設置条件も非常に悪く無塗装でありながら西日が強烈にあたる場所に据えられております。人が普段から歩かなく、雑巾がけもしていなく、雪が降れば積りっ放し。あえて何もしていない。
実はこれが本当の木の経年変化の色。灰色になる原因は、紫外線などで木の中にあるリグニンという成分が分解することが原因です。でもどうでしょう、木は年月と共に痩せる性質があるので少し細くなって見えますが、あとはとりわけ今すぐどうのこうの・・・ということはありません。
灰色になることを少しでも遅らせようと、この上に塗装を掛けます。一年に一回ずつ毎年のように塗装を繰り替えし塗ればいいのですが、でも結局はこのような色になって来ます。
最近その塗装にとても違和感を覚えて来ています。無塗装の方が自然的でかえっていい感じになるのではないかと。ささくれ状態やトゲが出てこなれば愛着と共に、いいエイジングになります。
このウッドデッキ、あと10年は余裕で持つでしょう。
木の本当の美しさはまさにこれではないでしょうか。所詮、塗装は塗装なのかもしれません。