代表中澤の日々の徒然

POST: 2016.07.15

つくりやう

「つれづれなるままに・・・」吉田兼好の徒然草。
もうご存知かと思いますが、そこに家づくりの一文が書かれております。

「家のつくりやうは 夏を旨とすべし 冬はいかなるところにも住まる」
家は夏を基本にするという考え方です。何回かこのブログにも書かせて頂いており、僕が大好きな言葉です。
今は違う、という方もいらっしゃいます。確かに気候の変化や家づくりに使う材料も変化してきているので、今の時代の文明だけを考え、深く考えすぎてしまうと違うのかもしれませんね。
ただ僕が好きなのは言葉から想像できる「住まいの有りよう」です。
夏を中心に考えるということは開放的な空間が広がるということ。つまり窓を広くして、物を少なくして、風の道をつくって、高い角度から降りそそぐ陽差しを遮る軒を深くつくる家のことです。
断熱材の性能が進歩し、ガラスの性能も格段に良くなって来ている昨今こそ、窮屈な間取りにせず、サッシなどの開口も大きくとったら如何でしょうか。その昔兼好さんが仰られた「家のつくりようは夏を旨とすべし」は今も正解のようです。

写真:若穂の家より