代表中澤の日々の徒然
POST: 2009.10.14
住宅量産会社の結末
数年前に、全国の建築会社の約90%が赤字だと言われていた。赤字か良くても利益トントンといったところなのだろうか。
これは、数年前の話である。が、しかし今はもっと悪いような気がする。だが正確には「本来の数値」に戻ったのだと思う。決して今までが良かったのではなく、逆に可笑しかったと考えた方がいいと、僕はそう思う。
そもそも、住宅業界はそんな業界だった。昔から「儲かる」仕事ではない。お金持ちになりたい人は、正直異なる道を進まれた方がいい。この仕事は、この仕事が好きじゃないとやってられない・・・と思う。昔は棟梁という大工の中の大工が居て、みんなそのリーダーが仕切って、ほとんどを任され、近所付き合いの関係を保ち、時にはサービス精神旺盛が逆にたたり、損をしてでもやった。簡単に量を増やすなんてしないし、できなかった。なぜなら棟梁の評判が大事だし、仕事に対しプライドがあったからだ。
最近は何でも安いものがヒットしている。確かに良いものを、出来る限りのコストダウンを図り、提供できるような努力は大切に思う。だが難しい技術を伴う仕事でそれは出来ない。腕のいい職人に対し、「あなたをもっと安くしてください」・・といっているに等しい。腕のいい職人が、腕の悪い職人の相場に合わせるなんて、とんでもないこと。その先、次世代に残るものは何一つなくなってしまう。
量産体制の住宅会社や工務店は、本来の姿に戻らない限り、原点に帰らない限り、難しいかじ取りを迫られる時代になった。いいことだと思う。