代表中澤の日々の徒然

POST: 2024.01.23
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私の思い⑤ふたつの別れ

はじめて経験する家族との別れ。最期は地獄のような時間でした。

兄弟3人は東京に住み、それぞれ独立し仕事をしていました。姉は大手町の外資系法律事務所で、兄は神保町の建築設計事務所に従事。両親は姉の看病で頻繁に上京を繰り返して、最後まで望みを捨てずにおりましたが・・・その甲斐もなく、悔しさでいっぱいの別れでした。

両親の悲しみは深く、長い時間が経過してもその絶望感や落胆ぶりは遠く離れた東京からでも想像を絶していました。

私はそれに耐え切れず兄と相談し、私が親の元に帰る決断をします。大好きだった憧れの東京、姉との思い出がいっぱいの街、仕事や同僚そして夢と別れて、ただ親といっしょに暮らすことを目的に帰郷を決意します。

若気の判断だったかもしれませんが、当時の私にはそれほど大きな出来事だった。

ちょうど阪神淡路の震災、地下鉄サリン事件、年初から家族の絆の重みを感じる大きな出来事も、私の背中を押してくれました。1995年、平成7年の春のことでした。

そして父の工務店を手伝うことになっていきます。

≪つづく≫

創立55周年連載企画「私の思い」5/30