代表中澤の日々の徒然
私の思い⑦素朴な疑問
入社して木造の家作りをゼロから勉強し、仕事を覚え始めました。
よく近くの現場へ行って大工さんと会話を重ねることからはじまった私の家作り、意外と難しいことより、疑問に思うことばかりだった。
いま思うと全くのド素人だったから、逆にこの世界、業界に染まっていなかったことで、気づけたことがたくさんあった。
東京にいるころは故郷が長野だというだけで、自然がいっぱいでいいね~・・・とよく言われたものでした。なのに長野の家作りで使われている木は米松といって、アメリカ産の松だった。柱の桧や杉材も県外から運ばれたものばかり。ニュースでは山の環境が悪化しているとか、林業に手が入っていないとか、間伐材を使えとか・・・矛盾することが多かった。
どうして地元の木をつかわないのかと聞くと、そんなものはない、使ったことがない、値段が高い、からと皆さん口を揃えていう。
地元の木なんて乾燥に時間がかかるし、あとは反ったり、曲がったり、床板なんて空いたりするという。
生きてる木なのだから、そんなのあたりまえではないのか・・・
呼吸しているんだから、普通でしょ・・・
湿気を吸ったり放出したりすることがいいのに・・・
当時は新建材といって、シックハウス症候群の原因になるような材料は普通だった。だから新築の家は・・・匂った。
床は合板、壁にはビニールクロスが普通だった。
大工さんはただ段ボールから合板の材料を出して、組み立てているだけ。
自然の無垢の木が、曲がるそして反ることは、許されないのだろうか・・・
ビニールクロスより左官仕上げの方が、調湿があって健康にもいいのではないか・・・
地元の木を使い、職人の手による、本当に健康に暮らせる家がつくりたい・・・
長野の家とか、地元ならではの工法や家作りって存在しないのか・・・
そんなことを少しずつ考えはじめていました。
≪つづく≫
創立55周年連載企画「私の思い」7/30