私の思い㉘タモの木

篠ノ井アトリエの完成と同時に、既存の展示場の解体工事に入りました。

見ていられない心境でした。

その時こうした解体される展示場はもう造らないと決めました。建てる経緯から感情的にもなりましたが、やはり勿体ないし、環境問題としても良くないです。

のちに個人宅として転売すること、再利用することが目的で、ある一定の期間の展示場やモデルハウスとして活用することは賛成ですが、言葉が悪いですが総合展示場のように使用したら解体して、また次の時代に合った話題を引く展示場を建てることは、何か対策が欲しいところです。

全国に存在する総合展示場の家は、大きなメーカーさんなので、こうも感情的になることはないにしても、環境を考えると移築でもできれば最高なのですが。その点、軽量鉄骨造のメーカーさんは、そのまま転売して再利用しているのはさすがです。

それにしても壊さなくていい家、増してダイコクの原点となった展示場・・・万感の思いでした。

この解体工事中、植栽を一本残すことになりました。

株立ちの「アオダモ」です。

大きく茂り、シンボル的な存在でしたので展示場の軌跡として残すことに。アトリエに移植後、今も元気にダイコクを見守ってくれています。

≪つづく≫　

創立55周年連載企画「私の思い」28/30